「和顔愛語の作品を依頼した理由と感想」堀田正尭様

例えば、好きな音楽をしばらく聞いた後、音楽を消しても心の中では音楽が流れている、ということがあるかと思います。それと同様に、自分の中に、こうしたいな、こんなことを指針に生きてみたいな、という思いを文字にして、何度も目にして口にすると、普段の生活の中でも、ふとした時に音楽のように流れてくる。そんな効果が言葉にはあると思います。それは自分に対する応援だったり、生きるうえで忘れたくないことだったり。

既にいくつか白水先生の作品を購入させていただいていましたが、宝石や天然石のようだと感じました。自分の感覚にピピっと合うものを選び、部屋に飾るとなんだか元気が出る。作品集で感じた輝きも、知っているので、自分が自分に贈りたい言葉を、ぜひ書いてもらいたい。そう言ったところからのスタートです。

それで、最初に出てきたのが「英姿颯爽 ふわふわ軽く 心地よく」の部分。この部分は、自分の好きな言葉を組み合わせて試しに作った文章で、実際に意識して1日過ごすと、なんか颯爽とした自分になっている気がする。これは効果がありそうだ。

それで、たまたま仕事も忙しい時期でしたが…そんな中でも、どういうポイントを押さえたら、自分らしく生きられるんだろうか、言語化に挑戦して、そうやって見つけた言葉たちを、素敵な作品を創られる白水先生に、作品化を託したかったんだと思います。

実際の作業としては、短文を何個か作ってみて、スマホのメモ機能を使いながら、あるいは実際にメモ帳に手で書いてみながら、取捨選択をひたすら続ける。実際に手で書いてみたり、その言葉を1日意識して過ごして、過ごしやすくなっているのか、文字の持っている意味、類語を検索し、繋がりに違和感がないか、無理している感がないか、何が好きで、どういう言葉を自分はかけて欲しいのか、どういう言葉をかけてあげたいのか、などと毎朝のぼーっとした時のインスピレーションとのすり合わせをして、言葉の部分を作りました。自分と徹底的に向き合う作業をすることになりました。楽しい時間でした。今回、作品を依頼させていただいたことで、自分を掘り下げるのが好きな自分に気づき、クリエイティビティが自分に与えてくれる幸せに気づかせて頂きました。

届いた時の感想は、すごい！すごい！すごい！格好いい！と言う感じで、言葉にはならなかったですね。そわそわしながら大事に大事に、飾る金具を買うまで袋と箱の中に入れて、金具が付いたら、いざ飾る、というその流れも楽しかったですね。和顔愛語の作品を見ると、英姿颯爽と、格好よく過ごしたいな、と思っている、自分の希望と、希望を応援する自分の言葉が並んでいて、何か飽きないのです。自分の原点に立ち返るような気持ちになります。

この文章の長さ、難しいバランスを、このサイズに美しくまとめ上げてくださり、素敵な額に入れていただき、宝石みたいな、自分にとっての宝物になっています。妻も部屋が格好よくなった！今までの部屋から変わり、芸術家の先生の部屋みたいになったね、とも言っていました。

それで、飾ってみて実際に人生にいい影響が出ていると思います。前より人を、自分を含めてほめるようになったし、休憩のとり方も意識するようになったし、すでにある豊かさに立ち返るのも上手になりました。美しいものに自然と目が向くようになり、そうだった、もっと軽く遊ぶように考えていいんだった、などと、日によっても見え方が変わります。とっても美しい書なので、ことさら心に歌声のように響いています。感謝しています。白水先生の美しい書は、心の栄養になっています。